【経理初心者向け】月次決算とは? 経理1年目が月次決算を解説!

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経理に配属された!

毎月やる仕事の一つに、月次決算というものがあるみたい。どんなことをするのかな?

事前に予習しておきたい!

経理の仕事は、毎月決まったことをする仕事が多くあります。

だからこそ、早めに仕事を覚えておけば、今後の仕事がとても楽になります。

この記事では、毎月実施する経理の大きな仕事である、月次決算について解説します。

この記事を読めば、月次決算をいつ実施するのか、何をするのか知ることができ、月次決算の流れを掴むことができます。

経理の月次業務を身に着けて、今後の仕事をスムーズに進められるようにしましょう!

★おりんごについて★
・経理1年生
・25歳のときにITベンダーから経理に未経験転職
・経理に関する知識は、簿記2級程度

月次決算とは

月次決算とは、企業が毎月行う財務報告および会計処理のことです。

売上高や経費の計上、仕訳の整理、試算表の作成、内部監査や確認作業を通じて、企業の経営成績を迅速に把握し、翌月の経営戦略を立てるための基礎資料を作成します。これにより、経営判断をスピーディーに実施できるようになります。

年次決算は法律によってすべての会社に義務付けられていますが、月次決算は各会社が任意で実施します。とはいえ、月次決算はほとんどの会社で実施しています。

月次決算の目的

月次決算の目的は、以下の2つです。

  1. 年次決算を楽にすること
  2. タイムリーな経営状況を把握すること

それぞれ、順に解説していきます。

目的① 年次決算を楽にすること

1つ目の目的は、年次決算を楽にすることです。

月次決算では、年次決算と同等の業務を毎月実施します。

毎月こまめに収益や費用、利益をチェックしていくことで、経理処理のミスを早期に発見し、修正することができます。そのため、年度末に一度に大量のデータを処理する必要がなくなり、中間決算や年次決算を行う際の手間を軽減できるのです。

目的② タイムリーな経営状況を把握すること

2つ目の目的は、タイムリーな経営状況を把握することです。

月次決算は各企業が任意で実施している、内部向けの資料である側面が強いです。特に、企業の経営層にとって、月次決算は経営の現状を知り、必要な対策を考えていく上で欠かすことができない資料です。

月次決算を毎月実施することで、会社の実績や財務状況、前年同月とに違いなどを知ることができ、経営状況をタイムリーに把握することができます。

月次決算のスケジュール

月次決算のスケジュールは会社によって異なりますが、前月の財務報告および会計処理を、その月の初めに10~15営業日かけて実施することが多いです。

以下に、月次決算のスケジュールの例を紹介します。

月次決算のスケジュール例
  • 月初
    月次決算開始
  • 5日
    ①集める:経費精算締め切り

    経理部以外の部署から、お金に関するデータを集めます。

  • 10日
    ②まとめる:月次決算締め切り(月次試算表確定)

    集めたデータを、月次決算書類にまとめます。

  • 15日
    ③伝える:経営層への月次報告会

    まとめたデータを、経営層に伝えます。

  • 🚩
    月次決算終了

システムや人員等で管理部門に予算を割ける大手の企業だと、10営業日ぐらいで月次報告会まで終了することもあります。

月次決算で実施することは大きく3つ。会社の経営状況が分かる数字を、①集める ②まとめる ③伝える ことです。次の章で、それぞれについて詳しく説明していきます。

月次決算で実施すること

①集める:経費精算締め切り

各部署や社員から前月の経費データを収集します。例えば、以下のようなものがあります。

  • 営業部門:出張の交通費や宿泊費
  • 研究開発部門:研究に必要な消耗品や学会参加費
  • 人事部門:新入社員の教育費用
  • 各従業員:タイムシート(人件費計算のため)

また、経費精算書に添付された領収書や証拠書類が正しいか、適切に処理されているかを確認しましょう。

経費精算書の内容は、会計システムに入力し、適切な勘定科目に振り分けることも経理の仕事です。

前にタイムシートの申請を忘れて、経理部の方に催促されたことがあったんだけど、こんなところに影響があったんだね。気をつけよう!

おりんご
おりんご

各部署や社員からデータを集めてくるのは経理の大切な仕事です。

きちんと集められていないと、人件費や経費などが不正確に計上されてしまうので、月次決算の信頼性が低下します。

そのため、経理からデータ提出を求められた場合は、速やかに対応するようにしてくださいね。

後から「このデータもあった!」と言われてしまうと、月次決算をやり直さないといけないこともあります。

②まとめる:月次決算締め切り(月次試算表確定)

集めたデータを、月次決算書類にまとめます。

月次決算書類には貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)があり、これらの資料は試算表をもとに作成します。試算表とは、すべての勘定科目の合計額と残高を一覧でまとめた表のことです。

会計システムを使用している場合、試算表さえできていれば、そのあとはボタン一つで貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)を作成できることが多いです。

そのため、月次試算表を確定させることが、月次決算の肝になります。

決算の際は、仕訳帳から総勘定元帳を作成し、総勘定元帳から試算表を作成します。

試算表を作ることで、仕訳帳から元帳への転記が正しく行われているかをチェックできます。

試算表を作成する際には、以下のような作業を実施して、各勘定科目の合計額と残高を確認します。

  • 現預金科目の照合
  • 売上・売上原価の確定
  • 販売・管理費などの確定
  • 売掛金の入金管理・買掛金の支払管理

③伝える:経営層への月次報告会

まとめた月次決算書類を、経営層に伝えます。

経理部門から経営層への月次報告会では、以下のような内容が話されることが一般的です。

  1. 貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)の概要
  2. 前月や前年同月比との比較
  3. 特筆すべき出来事や変化
  4. 予算と実績

これら以外にも、経営層が意思決定を行うために必要なデータを提供します。

おりんご
おりんご

私の会社では、経営層への月次報告会では貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)等で自社の財務状況を報告すると同時に、ドル円・原油価格・他社の株価など外部データを含むさまざまな経営判断のための数字を報告していました。

【まとめ】月次決算をマスターして、仕事をスムーズに進めよう!

月次決算は、ほとんどの会社の経理が月初10~15日かけて実施する業務です。

だからこそ、月次決算を知り、マスターすれば毎月の仕事をスムーズに進めることができます。

以下を参考に、月次決算についてもう一度復習してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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